私たちは、“バナナ本来のおいしさを引き出す”ことにこだわり抜いています。近年主流の短期間で皮を黄色く色付ける手法では、バナナ本来の甘さやおいしさは生まれません。伝統の追熟技術で約一週間かけてじっくりと追熟させ、芯から甘くておいしいバナナに仕上げたものが“松孝のバナナ”。食べ比べればその味の違いは歴然です。
フルーツは、収穫してすぐ食べられるものばかりではありません。桃やサクランボは樹上で熟しますが、バナナやアボカド、キウイ、洋梨など追熟型(クライマクテリック)の果実は、エチレンという植物の成長ホルモンの作用で熟成が始まるのです。
害虫の上陸を防ぐため、バナナは緑色の硬い状態で輸入することが植物防疫法で義務づけられています。おいしく熟した食べごろのフルーツに仕上げるためには国内での追熟加工が必要です。
松孝は、大田市場に隣接してバナナ1万5千ケースを追熟加工できる自社のムロを構えています。フィリピン・エクアドル・ペルー・台湾などの世界中の産地から届く、モンキー・モラード・カルダバなど様々な品種のバナナを、経験豊富な職人がキメ細やかな仕事を尽くし、最適な環境を保って熟成させています。
人手をかけて互い違いに積み直し、通気と熟成をコントロール
最大で1万5千ケース収容できるムロで、コンディションを見ながら
バナナを入れ替え、最高のおいしさを引き出す
厳密な管理を尽くし、バナナにとって最高の環境を維持
松孝の誇りである伝統の追熟は、時間と手間のかかるものです。
一般的には船積みされたままのバナナケースをそのままムロに入れ、温度を急激に上げ下げして短期間で皮を黄色くする効率ばかりを重視したバナナをつくっていますが、松孝はまずバナナの箱を人力で積み直し、通気をよくして全体をしっかり熟成させるための手間をかけます。
一般的な手法よりも数日長い日数で、果肉のでんぷん質までしっかり糖化した、ザリッとした芯やえぐみのない、本当においしいバナナに追熟させています。効率を重視した追熟よりもスペースがたくさん必要で、コストもかかりますが、これはバナナ本来のおいしさに仕上げるために絶対に必要な手間ひま。
松孝はその信念を創業以来守り続け、本物の味を極めることに情熱を注いでいます。
パナナが到着するとスタッフ総出で積み替え作業
箱の重さは10kgを優に超えるが、あくまで丁寧に上げ下げ
バナナの老舗問屋のノウハウは、アボカドの“食べごろ仕上げ”にも生かされています。栄養価も高く、ファンが増える一方で、「なかなかベストな状態に出会えない」と不満を抱える方も多いのがアボカドというフルーツ。これは流通の段階で、適切な管理がされていないためです。
松孝は厳密な品質管理に加え、追熟のテクニックを駆使することで最高においしい食べごろの状態でお届けし、「買いたいときは食べたいとき」にお応えします。